SAKE SHOP 福光屋 金沢店酒蔵

「伝統は革新の連続」。創業寛永2（1625）年、金沢最古の酒蔵である「福光屋」に受け継がれる精神を表す言葉です。 「日本酒本来の造りは純米酒」という原点に帰り、酒米の契約栽培を開始したのが昭和35（1960）年。醸造アルコールを使わない純米酒はコストが高く、同業から「福光屋は潰れる」と言われたそうです。しかし、酒造りへの信念は揺らぐことなく、「恵みの百年水」（P64 参照）と磨き抜いた技術で挑戦を続け、平成13（2001）年に純米蔵を実現。生産量1万石以上の酒蔵では日本初です。今でこそ当たり前な瓶の「裏ラベル」も、同社が始めたというから驚きですね。 現在は酒造りの枠を超え、純米蔵ならではの醗酵技術を生かした食品や化粧品の開発も行っています。 「『コメ醗酵会社』として、医療や介護への進出も視野に入れています。海外のお客様には『文化体験』をご提案できれば」と話すのは企画広報室長の岡本亜矢乃さん。福光屋の挑戦から目が離せません。